起業したてのあなたへ|銀行が評価する決算書のポイントをわかりやすく簡潔に解説します

与信は大事

起業したてであれば、キャッシュ重視でいってもいいと思うが、ある程度キャッシュが貯まってきたら、銀行の評価を気にしていきましょう。
銀行が評価する決算書を簡潔にいうと、「事業実績はあるか?」「稼いでるか?」「貯まっているか?」の三つです。
事業実績とは会社として売ったり買ったり事業をしているか、お金が流れているか、です。
稼いでるか?とは経常収支が黒字になっているか、です。経常収支が黒字であればその事業でしっかり稼げていることになるので、銀行さんにとってとても重要な指標です。
貯まっているか?とは純資産が積み上がっているかです。純資産は税金を支払ったあと純利益によって積み上がるものですので、純資産が積み上がっていれば銀行さんの与信にもとてもいい影響があります。
さらに役員借入金は資本と同等にみなす銀行さんも多く、あまり問題にはならないのですが、役員貸付金は社長個人と会社のお金の区別がつかない、会社のお金を流用しているのではないかと疑われ、銀行からの印象がかなり悪くなるので絶対NGです。
以上のことを下記で解説しています。

最初はキャッシュをとるか、銀行評価をとるか、迷うもの

事業を始めて最初のうちはとりあえず一円でも稼ぎたいと思うものです。そして初めての決算で大幅な黒字になる、みたいなことはまれだと思います。(一年目から黒字になるということは、ある程度仕入れがいらない、原材料などがかからない、サービス業などではないかと思います。)そして、黒字になったら、今度は税金がかかってきますので、できるだけ利益を圧縮しようとすると思います。

それはとてもよくわかります。私の会社の場合、食品の卸売業からスタートしたので、仕入れから入金まで約2か月空いたため、三期目くらいまではひたすらキャッシュ重視でした。ですが、ある程度キャッシュが貯まってきたと思ったら、銀行評価(=与信)のほうへシフトしていきましょう。与信がとれるようになると、動かせるお金が変わってきますので、また世界が変わってきますよ!

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決算書で大事なことは、「事業実績あるか?」、「稼いでるか?」、「貯まっているか?」、この三つです!

「事業実績あるか」=会社として商品やサービスを売ったり買ったりしているか、ちゃんとお金の流れができているか

起業して会社を経営しているということは、事業実績が必ずあります。何かの商品を売るのであれば、材料を仕入れて、加工して商品にして売る、または何かのサービスを提供するのであれば、そのサービスを提供する人の人件費や場所代がかかり、そしてそのサービスの対価を得る。というふうにです。
まずはその事業をしっかりやっているか、そしてそれがちゃんとまわっているか、ということが大切です。

「稼いでるか」=経常収支で黒字(プラス)になっているか

決算における経常収支は、その企業の事業そのものから得た収入と、それにかかる費用の差額を表すものです。たとえば、商品の販売やサービスの提供による収益(営業利益)から、材料費や人件費、光熱費などの経費を差し引いた残りが経常収支です。

この経常収支がプラスになっていれば、お金も増えていることになります。要するに「稼いでる」という状態になりますので、銀行にとってとても重要な指標となります。

「貯まっているか?」=純資産の積み上げができているか

経常収支が「その会社はお金を稼いでいるか」を判断する指標とすれば、純資産はその利益が会社に「貯まっているか」を表す指標となります。
この純資産ですが、資本金以外は税引き後の純利益が「利益剰余金」として積みあがっていきますので、しっかり法人税などを納めていなければ利益剰余金は積み上がりません。そのためかなり節税をして、利益を圧縮しているとあまり増えていきませんので、そのあたりは今後を見据えて判断するといいでしょう。

重視する指標は銀行によって変わる。すべて一律ではないので、情報収集も大事です。

ちなみに私の取引先銀行では、経常収支をとても重視しています。そのあたりも銀行さんによって重視する数字は少し異なってきますので、そこは社長であるあなたが銀行の担当さんと付き合っていくなかで、把握されてください。ただ、今話したことは大体どこの銀行さんでも同じだと思います。
私はまだまだ拡大していきたいので、経常収支も(税金もきっちり払ったあとの)純利益もしっかり積んでいきたいと思っています。

その他、銀行によって「役員借入金」を資本と同等とみなしてくれることもある。逆に「役員貸付金」は絶対NG。

その他に覚えておいてほしいのは「役員借入金」です。

キャッシュがたくさん必要となる大きな買い物(不動産等)をするときや、運転資金など自己資金が足りないときに、社長であるあなたがその会社にお金を貸し付けることです。そしてそれは会社から見ると借入しているわけですから、いつかは返さなければならない負債として計上します。ですので、銀行によっては、印象が悪くなるのですが、一部(というか私的には大部分の)の銀行は、返却する気のない役員借入金は資本(純資産)と同等にみなしてくれることがあります。
そうなるととてもあなたの会社の与信にはとても有効です。

逆に役員貸付金は絶対にNG

役員貸付金とはその会社から社長であるあなたにお金を貸し付けているということです。会社から見ると、あなたにお金が貸しているわけですから、資産の項目に計上されます。
この役員貸付金は絶対にやってはいけません。なぜなら、社長であるあなたが会社からお金を借りているとなれば、個人のお金と会社のお金を区別がつかない、個人的に流用しているのではないか、と疑われてしまうからです。
この勘定科目が存在している貸借対照表はほぼすべての銀行に嫌われるといっていいかと思います。

別にこの通りじゃなくてもいい、仮に不動産を買ったりすると、大きなお金が動くため一気にキャッシュがなくなることがあります。しかし大事なことは(今買った不動産以外の)事業でちゃんと稼いでいるかです。そしてその決算書になった理由を説明できるか、その説明に整合性があるか、も大切です。

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