あなたが何かの事業や副業をしようとするとき、「与信」は欠かせません。
与信とは、金融機関が「この人にお金を貸しても大丈夫かどうか」を評価する基準のことです。車や住宅を買うときや、事業でお金を借りるとき、金融機関はあなたがちゃんとお金を返せるかどうかを慎重にチェックします。この評価が良ければローンや融資が受けやすくなり、逆に悪ければお金を借りることが難しくなります。
私の会社で実際にあった事例として、転職してすぐに300万円の中古車を購入した元社員が、すべての金融機関からローンを断られた話を載せています。元社員は貯金もなく、ローンが組めるか確認せずに車を契約してしまったため、私のところまで借金の相談にきました。
金融機関は、借り手の収入やこれまでの借金の返済状況、勤め先の業績などを総合的に判断して、与信を評価します。
大事なことは、車や住宅を買えるのも、事業で融資が受けられるのも、与信があるからだということをしっかり知っておきましょう。
このブログでいう「与信」とは、銀行が融資してくれるかどうかの基準です。
与信という言葉は、日常的にはあまり耳にしないかもしれませんが、銀行融資・借入を考える際には非常に重要な概念です。簡単に言うと、与信とは「金融機関があなたにお金を貸しても大丈夫かどうかを評価する基準」のことです。
例えば、あなたが副業を始めるために銀行からお金を借りたいと思ったとします。このとき、銀行は「この人にお金を貸しても、ちゃんと返してもらえるだろうか?」と考えます。この判断をするために、銀行はあなたの給与はもとより、これまでのお金の使い方や返済の履歴を確認します。そしてそれに加えて、今努めている会社の業績などもチェックされます。これが「与信をチェックする」ということです。
与信を良好に保つことは、将来的に銀行からお金を借りやすくするために非常に重要です。たとえば、クレジットカードを使っている場合、毎月の支払いをきちんと行うことで「この人はちゃんとお金を返す人だ」という信頼を積み上げることができます。また、貯金を続けることも、銀行に「この人はお金をしっかり管理している」という印象を与えることになります。
与信がしっかり蓄積されていると、銀行はあなたに対して「この人ならお金を貸しても大丈夫だ」と判断しやすくなります。これにより、副業を始める際の資金調達や、将来の住宅ローンなど、さまざまな場面でスムーズに融資を受けることができる可能性が高まります。逆に、与信が低いと、融資の審査に通りにくくなったり、借りられる金額が少なくなったりすることがあります。
与信は目に見えない金融機関さんの評価です
実際にあった話:うちの会社を退職した社員からの相談
これはなりクマが実際にあった話です。
ある日、私の会社を退職した元社員から、退職してわずか一か月後に「相談がある」と連絡がありました。そこで話を聞いてみると、彼は新しい職場で働き始めたばかりで、そのタイミングで300万円の中古車を購入したそうです。しかし、自動車ローンを組もうとしたところ、地元の4つの金融機関すべてから断られてしまったとのこと。彼の相談内容は「300万円を貸してほしい」というものでした。
私は0.2秒で断る決断をした。
(ちなみに、もしあなたが誰かにお金を貸してほしいと言われたら、その人とは距離を置くことを強くおすすめします。貸すなら、そのお金は戻ってこないものと覚悟し、貸したあと関係を断つべきです)。
とはいえ、一応話を詳しく聞いてみました。
私:「そもそも、300万円の車を買うのに貯金はなかったの?」 元社員:「なかったです。」
私:「なぜ自動車ローンを組んでから車を契約しなかったの?」 元社員:「すみません、普通に借りられると思ってました…。」
私:「今からでも中古車屋に行って、ローンが組めなかったので契約をキャンセルしたいと伝えてみたら?」 元社員:「いや、もうすでに乗ってまして…。」
私:「え!もう乗ってるの!?」
会社の外を見ると白くて大きなSUVが目に入りました。確かに、中古で300万円もする大きな車を買っていました。そして、すでに乗っている…お金払ってないのに…。
融資する金融機関は、冷徹に、現実的に、それまでの様々な実績を見ている
話を「与信」に戻しますね。
このように、自動車ローンが組めない理由は「これ」とはっきりしているわけではありませんが、申込したすべての金融機関さんから断られたのは事実です。ちなみに転職先の給与は(あくまでも本人談ですが)私の会社の1.5倍ほどあり、その証明を持っていっても断られたとのこと…。
推測に過ぎませんが、転職したタイミング、これまでの貯蓄などの実績、300万円という金額、クレカなどで滞納があったなど、様々な理由が絡んでいるように思います。
私的にはうちの会社で何年も社歴がありましたので、せめてうちの会社に所属している間に申込していたら、もしかすると結果も変わったのかもとも思っています(これも推測にすぎませんが)。
ちなみに金融機関さんは融資やローンを断る理由は基本的にはいいません。「今回はご希望に添えない結果となりまして。」とか「今回は見送らせていただきます」などと言われ、理由を明確にしてくれることはありません。担当者さんに丁寧に「今回ダメだった理由を言える範囲でいいので教えてもらえませんか?」と聞いてみたりしてみましょう。そこでその金融機関さんが重視している内容がわかったりします。
このように、金融機関さんは冷徹に、現実的に、それまでの実績のなかで、その人がお金を返せるのか、しっかり返してくれるのか、ということを判断してくる、ということです。
大事なことは、車や住宅が買えるのも、事業で融資してくれるのも、与信があるからこそ!
これまで見てきたように、車や住宅を買うときも、事業でお金を借りるときも、大切なのが「与信」です。金融機関などが「この人ならお金を貸しても大丈夫」と判断してもらうことです。逆にそう判断されなければ、元社員のようにどこからも借りることができずに、八方ふさがりとなります。
まだ今回の話は個人の車でしたが、事業をやっていて取引先への支払いが滞ると債務不履行となり、一気に信用を失うどころか、場合によっては詐欺で訴えてくることにもなりかねません。
ですので、与信というものをしっかり意識しておきましょう。逆に、与信がある人は金融機関からの信用があるので、ローンも融資も組みやすくなります。だから、普段からきちんとしたお金の使い方や仕事をすることで、自分の与信を高めることが大事です。
ちなみにこの相談にきた元社員ですが、私からはまたさらに別の金融機関さんを紹介しました。
そしてその後は音信不通です。その結果がどうなったのか、連絡すらありませんでした。
こんな対応をみても、「お金を貸すことのリスク」「個人でお金を貸してはいけない」「金融機関さんの判断は正しい」ということも分かったりしますね。
まとめ
- このブログでいう「与信」とは、銀行が融資してくれるかどうかの基準です
- 300万円の車を購入するための資金を、申し込んだすべての金融機関さんに断られることもある。普段からのお金に関する実績やあなたの勤めている会社や社歴なども与信の対象になっている
- 車や住宅を買えるのも、事業で融資を受けられるのも、与信があってこそだということを忘れずに!
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